電球を選ぶ際、明るさや光の拡がり方と合わせて注目すべきなのが「色」です。光の色は一般的に5種類あるとされますが、その中でも最も青みが強くクッキリとした色が「昼光色」。光の色によって適した場所が異なり、昼光色の照明は仕事部屋やクローゼットなどに向いていると言われています。
今回は電球昼光色に焦点を当て、特徴や向いている場所/向いていない場所について解説していきましょう。
電球色は色温度で決まる
光の色は昼光色の他、「昼白色」「白色」「温白色」「電球色」の計5色があります。これらの色は「色温度」と呼ばれる基準によって決まるもの。色温度は「K(ケルビン)」という単位で表され、光の色合いを尺度化しています。Kの値が小さいとオレンジや黄色といった暖色系の光、Kの値が大きくなるにつれ白色→青色と色合いが変化していきます。
電球で用いられる5色を色温度で表すと次の通りです。
・電球色:約3,000K
・温白色:約3,500K
・白色 :約4,200K
・昼白色:約5,000K
・昼光色:約6,500K
(出典:株式会社ルクス)
5つの中で色温度が最も低い電球色は、オレンジっぽい暖色系の柔らかな光。昼白色は太陽光に近い自然な光と言われ、色温度が最も高い昼光色は青っぽさのある寒色系の鋭い光です。
電球の色によって異なる効果
色温度の違いは視覚だけでなく、その光が照らす空間で生活する人の感覚全般に影響を与えます。蛍光灯や電球で多く扱われる代表的な3色「電球色」「昼白色」「昼光色」について、それぞれの効果を見ていきましょう。
部屋で過ごす人に落ち着きをもたらす電球色
オレンジっぽい光の電球色は、リビングや寝室などくつろぐ場所に多く使われる色。温かみのある光なので、部屋で過ごす人に落ち着いた印象を与えます。物が赤っぽく見えるために色の再現性は低いですが、その分目が疲れにくい点はメリットです。
自然な色合いをもたらす昼白色
日中の太陽光の色温度は5,000〜6,000Kとされており、この値に一番近いのが昼白色。昼白色の照明を用いると自然光に近い色合いになるため、どのような場所でも比較的違和感がありません。中でも身だしなみを整える洗面所や食材を扱うキッチンなどは、昼白色が向いていると言われています。
細かいものがよく見える昼光色
昼光色は色温度が最も高く青っぽい色合いが特徴。色の再現性が高く、細かい物でもクッキリと見えるのがメリットです。新聞や本を読む時でも文字がはっきりと見え、青みがかった光は集中力を高めると言われています。一方で目が疲れやすく、人によっては偏頭痛などの原因になることもあるため要注意です。
昼光色は集中したい場所におすすめ
繰り返しになりますが昼光色は色温度が高いため、色合いとしては青みがかった白です。オフィスや公共空間で用いられることの多い色であり、とても明るい印象を受けます。色の再現性と視認性も高く、どんな物でもクッキリ見えるのがメリット。爽やかさや清潔感を感じる色でもあります。
細かい文字でも識別できるので、仕事や勉強をする空間にはもってこいです。さらに青は集中力を高めるとされているため、青みがかった昼光色の照明によって集中力アップも期待できます。以上を踏まえると、次にあげる空間は昼光色が向いていると考えられるでしょう。
・子どもの勉強部屋
・書斎、ワークスペース
・クローゼット
上の2つは集中が必要な場所。3つ目のクローゼットは何が入っているのか、どんな色なのかがはっきりわかった方が便利なため、色の再現性が高い昼光色が向いていると言えるのです。
青白い昼光色が向かない場所とは?
昼光色の照明は視認性が高くなる分、細かいものも全て見えてしまいます。集中したい時はいいのですが、常に視認性が高いと眼精疲労の原因になってしまうのです。眼精疲労は筋肉の収縮を招き、ひどい場合には頭痛の原因になることもあります。こうしたことから、落ち着いたりくつろいだりする場所では昼光色は避けた方が無難。具体的には次のような箇所です。 ・リビング ・長い時間を過ごす居室 ・寝室日中長い時間を過ごす場所であるリビングを昼光色にしてしまうと、常に目がフル稼働している状態になってしまい、眼精疲労の原因になりかねません。同じ理由で、長い時間を過ごす部屋は昼光色よりも昼白色や電球色が向いています。寝室を昼光色にしてしまうと睡眠導入の妨げになる危険性もあるので、同じく昼白色や電球色の照明がおすすめです。
照明は明るいほどいいと考えがちですが、部屋の用途によっては適度な暗さが必要な場合もあります。だからこそ、色温度や明るさの違うさまざまな種類の電球が販売されているのです。電球昼光色は集中したい場所には最適な色ですが、反対に落ち着きたい場所には向きません。暖色系の電球色と使い分けることによって、住まいの快適性を簡単にアップすることができます。
昼光色・昼白色・電球色の3色をベースに、部屋ごとの照明計画を今一度検討し直してみてはいかがでしょうか。
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